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文献詳細

雑誌文献

精神医学1巻10号

1959年10月発行

文献概要

研究と報告

精神科領域におけるDimethylaminoethanolの応用

著者: 浅尾博一1 東雄司1 津本一郎1 宇野修司1

所属機関: 1和歌山医科大学精神神経科

ページ範囲:P.743 - P.746

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 生体神経ホルモンであるアセチールコリン(Ach)が中枢神経系における化学伝達物質の1つであることはFeldberg以来種々の実験によりほぼ確実とされている。Achの精神疾患に対する使用については,Lloyd1),McLaughlin2)は"てんかん"の治療に,Cohen, Thale3)は精神分裂病の治療に用いたが,余り効果は認められなかつた。最近Pfeifferなど4)によりAchのpossible precurserと考えられるDimethylaminoethanol(DMAE)が報告され,Pfeiffer4),Lemere5)らは種々の精神疾患に使用し精神分裂病にもある程度の効果を示すほか,生理的な精神賦活剤としてうつ病,神経衰弱に著効を示し,健康人に用いても精神活動を高めるなどの作用を示すと報告し,またその毒性についてはPfeifferらもふれている。
 今度われわれは杏林製薬よりデアポン(DMAEとして25mg含有)の提供を受け,うつ病,精神神経症ことにうつ状態および神経衰弱状態,精神分裂病ことに自発性欠如の患者に試用したのでその結果を報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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