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文献詳細

雑誌文献

精神医学1巻11号

1959年11月発行

研究と報告

筋肉弛緩剤Succinylcholine Dichlorideを用いた電撃療法の経験

著者: 阪本健二1 阪本正男1

所属機関: 1阪本病院

ページ範囲:P.807 - P.809

文献概要

 近年欧米においては骨折を防止するため筋肉弛緩剤を用いた電撃療法が発達し広く行なわれているが,この種の事故の少いわが国ではいままでほとんどかえりみられることがなかつた。しかし筋肉弛緩剤を用いるといままで禁忌とせられていた高令,結核,骨折などの患者にも電撃療法を加えうるので,ここに先進者達の方法を紹介するとともにわれわれの経験につき記述する。
 1940年米国に電撃療法が紹介されてから国民の体位が向上するにつれ電撃による骨折は年々増加し,近年には全患者の20%に脊椎圧座(Noyes)1%にその他の骨折をみるようになつた。ために種種の筋肉弛緩電撃法の研究が進められたが,初期にはクラレを用いたので,長時間にわたる呼吸停止,心臓障害のため危険で事故も多かつた。Impastatoは米国における電撃事故死の多くはクラレの使用によるものであるとのべている。それはクラレの主成分であるツボクラリンイオダイドが骨格筋よりも呼吸筋に強く作用し,呼吸停止時間が約40分にわたるためである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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