文献詳細
研究と報告
筋肉弛緩剤Succinylcholine Dichlorideを用いた電撃療法の経験
著者: 阪本健二1 阪本正男1
所属機関: 1阪本病院
ページ範囲:P.807 - P.809
文献概要
1940年米国に電撃療法が紹介されてから国民の体位が向上するにつれ電撃による骨折は年々増加し,近年には全患者の20%に脊椎圧座(Noyes)1%にその他の骨折をみるようになつた。ために種種の筋肉弛緩電撃法の研究が進められたが,初期にはクラレを用いたので,長時間にわたる呼吸停止,心臓障害のため危険で事故も多かつた。Impastatoは米国における電撃事故死の多くはクラレの使用によるものであるとのべている。それはクラレの主成分であるツボクラリンイオダイドが骨格筋よりも呼吸筋に強く作用し,呼吸停止時間が約40分にわたるためである。
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