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文献詳細

雑誌文献

精神医学1巻11号

1959年11月発行

研究と報告

精薄非行少年に対するγアミノ酪酸の効果

著者: 谷貞信1 倉持弘2

所属機関: 1東京医療少年院 2東京医科歯科大学神経科教室

ページ範囲:P.821 - P.826

文献概要

Ⅰ.序言
 γアミノ酪酸が,いちじるしく脚光を浴びるようになつたのは1950年(Awapara,Roberts,Udenfriendらの生化学的研究)以後といわれる。現在,その臨床的応用は高血圧や昏睡の治療,さらに脳神経障害や精神薄弱症の治療に至るまで普及しつつある。なかんずく精神薄弱症に対する効用は,1946年のZimmermanその他の協同者によるl-グルタミン酸の研究以来特に注目をひくものである。本邦においては,精薄児に対する臨床的研究が着々と進められ,その効果も報告されているが,被験者はおもに学童期の年少者が選ばれている。従つて年長の精薄少年についての使用経験はまだ報告されていない。われわれの実験群は,生活年齢が年長であると同時に早くて10歳頃から非行歴があるという2つの特徴をもつ者である。非行が個人の病的欠陥や環境因子によることは容易に推測できるが,収容施設内での再三の事故発生者には特殊な非行性格がもともとあるようである。なお,γアミノ酪酸(以下γと略す)は第一製薬提供のものである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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