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文献詳細

雑誌文献

精神医学1巻12号

1959年12月発行

文献概要

研究と報告

After Careとしての就職退院の経験

著者: 横井晋12

所属機関: 1都立松沢病院 2横浜市立大学神経科

ページ範囲:P.849 - P.857

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Ⅰ.まえがき
 わたくしたちの病院では,かなり以前から入院患者を就職退院させることについて,いろいろの努力が払われてきている。その成功例の中にはすでに数十万の財をなして社会の第一線に働いているような人もある。しかしそれらはとくに組織化された体制のもとに行なわれたものではなく,寛解ないし軽快患者の身寄りのない人を従業員が個人的に引取つたり,またはその縁故者に頼んで就職させたりしたものであつた。現在でも根本的にはその様式にとくに変つた点はない。
 最近治療や看護の目立つた進歩とともに,病者に対するわたくしたちの認識も改まつてきて,従来の閉鎖病棟の鍵をはずすことを出発点とする開放的な処置がしだいに行なわれるようになつている。そのうえ患者を社会と接触させることによつて精神状態の改善,すなわち従来の慢性化,施設化を防ぐことができることがわかつてきた。しかしなんといつても最終の目的は病者の退院による社会復帰でなくてはならない。竹村はその困難さを自らの体験によつてのべている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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