文献詳細
紹介
—L. Binswanger 著—精神分裂病(Schizophrenie)(第1回)
著者: 東京医科歯科大学神経科教室精神病理学グループ
ページ範囲:P.127 - P.131
文献概要
まえがき
本号から6回にわたつて紹介しよらとするスイスの精神科医L・ビンスワンガーの『精神分裂病』(1957年)は,彼が現象学的人間学の方向にそつて従事してきた精神医学的活動の総決算であり,クロイツリンゲンのベルヴュ病院で精神病者たちとともにすごした約半世紀という歳月の貴重な結実である。
この主要部分は,1944年から1953年にかけて連続的に行つた5つの症例研究からなり,これらはそのつど専門誌に発表されたが,1957年にそれらを1冊の本にまとめる際に,かなり長い序文が書き加えられ,ここで,それまでの研究の成果と精神分裂病の本質が最終的に論議されている。
いわゆる人間学的方向は,この数年来,日本の精神医学界にもよらやく移植されつつあるが,このような時にビンスワンガーのこの原典を紹介することは,多くのまじめな学徒に強い衝撃を与えるであろうと予想される。
本号から6回にわたつて紹介しよらとするスイスの精神科医L・ビンスワンガーの『精神分裂病』(1957年)は,彼が現象学的人間学の方向にそつて従事してきた精神医学的活動の総決算であり,クロイツリンゲンのベルヴュ病院で精神病者たちとともにすごした約半世紀という歳月の貴重な結実である。
この主要部分は,1944年から1953年にかけて連続的に行つた5つの症例研究からなり,これらはそのつど専門誌に発表されたが,1957年にそれらを1冊の本にまとめる際に,かなり長い序文が書き加えられ,ここで,それまでの研究の成果と精神分裂病の本質が最終的に論議されている。
いわゆる人間学的方向は,この数年来,日本の精神医学界にもよらやく移植されつつあるが,このような時にビンスワンガーのこの原典を紹介することは,多くのまじめな学徒に強い衝撃を与えるであろうと予想される。
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