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研究と報告
インシュリンショック治療におけるグルタミン酸ソーダ覚醒法
著者: 和田豊治1 田中善立1 桜田高1
所属機関: 1弘前大学医学部精神医学教室
ページ範囲:P.235 - P.239
文献購入ページに移動最近,大脳生化学的研究の一環としてグルタミン酸の脳内における作用,あるいはその代謝機能の問題が注目をあびている。すでにわが国でも,殊に神経精神科領域に多くの実験的研究がなされているが,しかしその知見に基づいて臨床応用の域にまで進展しているのは少ない。
グルタミン酸1)はアミノ化あるいはアミノ基転移の窒素源でありアミノ酸形成の出発点となるし,また蛋白分子形成とその分解とに非常に重要であるとされている。一方グルタミン酸の脳内含有度は他の臓器内のそれよりは極めて高く2)(脳内に保有されているアミノ酸のなかでグルタミンおよびグルタミン酸は遊離d-アミノ窒素の80%に達するといわれている),したがってグルタミン酸が脳内でも合成されることは疑いをいれないことである。
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