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文献詳細

雑誌文献

精神医学1巻5号

1959年05月発行

研究と報告

うつ病Hämatoporphyrin療法

著者: 詫摩武元1

所属機関: 1都立松沢病院

ページ範囲:P.325 - P.335

文献概要

Ⅰ.緒言
 うつ病の治療について云々する前に,まず「うつ病とは何か」と考えなければならない。というのは,実際われわれの毎日の臨床で,うつ病患者のいわゆる精神療法として最も必要なことは,「どうしてこんなに元気のない,悲観ばかりしている自分になつたのだろう」と,その人それぞれの性格なり立場なりに,憶断し穿さくしている患者に,場合に応じて「病気の性質」をあるいは大ざつばに,あるいは詳しく説明してあげることであると思われるからである。ところが私自身このような大きな問題を秩序立てて述べるだけの力量もなし,またここに諸先輩の御意見を詳しく引用する余裕もないので,最小限に限つて要点を列記してみることにする。
 1)世に4大精神病として,精神分裂病,躁うつ病,てんかん,進行麻痺とあげる慣わしにしている人もあるが,躁うつ病はGemütskrankheit,分裂病はGeisteskrankheit(=精神病,Verruckt-heit)とJaspers1)も述べているから,うつ病は精神病に非ざる「プシコーゼ」としておくべきである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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