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文献詳細

雑誌文献

精神医学1巻5号

1959年05月発行

文献概要

動き

精神疾患治療の動き

著者: 松本胖1

所属機関: 1国立国府台病院

ページ範囲:P.364 - P.365

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 TNT火薬が原爆となり,更には水爆にまで発展して強大なエネルギーを示したり,原子力の利用による発電が実現したり,人工衛星が打ち上げられたり,われわれが以前には想像もしなかつた新しい事態が次から次へとあらわれてきて,そのために世界の情勢も大きく変化し,人間のあり方も考え方も変えざるを得なくなつてきた。これらは,すべて科学の進歩に基くもので,その進歩の急速で偉大なことは,まことに驚くばかりである。
 医学の分野においても同様のことがいえるのではあるまいか。ペニシリンやストレプトマイシンの発見以来,次々と新しい抗生物質が登場し,使用された結果,細菌性疾患による死亡数は著しい減少を示し,そのために,疾患別死亡順位に大きな変革をきたすと共に,平均年齢の向上にも重要な役割を演じている。更には,麻酔学の進歩と相俟つて,従来は不可能と考えられていた手術も可能となり,不治とされていた疾患にも大きな希望がもてるようになつてきた。このような医学の進歩は,人類に生命の重要性と貴重さとを強く再認識させるであろうと考えられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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