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文献詳細

雑誌文献

精神医学1巻6号

1959年06月発行

文献概要

研究と報告

長欠児の精神医学的実態調査

著者: 高木隆郎1 川端利彦1 田村貞房1 三好郁男1 前田正典1 村手保子1 澄川智2

所属機関: 1京大精神科 2京都市児童相談所

ページ範囲:P.403 - P.409

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 戦後わが国の精神科医も児童相談所その他福祉関係諸機関を通じて住民へのサービスに参与する機会を得たが,現在なお住民の精神医学的実態に関する知識ははなはだ乏しい。この中で国立精神衛生研究所のグループが行なつた地域社会における精神障害者の生態学的研究,厚生省が全国的規模で行なつた精神衛生実態調査および文部省の特別委員会の下で行なわれた精神薄弱児の実態調査などは貴重なデータをえ,それぞれわが国の精神衛生活動の中で歴史的な意義をもつものであろう。また中川ら群馬大学のグループが一山間工業地域を選んで行つた学童の精神医学的調査は,その特殊地域での今後の精神衛生活動の方向を示唆した点で,評価さるべきである。
 ところでわれわれは,経済的,時間的,人員的理由,規模からも,実態調査という意味をもつと自由にとり,必ずしも統計的数字の正確度にこだわらず,今後の精神衛生の実践活動を推しひろめていくための実態概況を知ることを目的とした。したがつて,その結果をより機能的かつ具体的に把握するよう努力した。たとえば直接には精神障害発生にあずかる社会的要因の追求というような目的はもたず,臨床医学が予防医学に結びつくための基礎資料をうること,住民への精神医学的サービスという点で実践的であることを目的とした。実際にわれわれが長欠児の精神医学的実態調査を試みた当初の動機は次の通りである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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