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文献詳細

雑誌文献

精神医学1巻6号

1959年06月発行

文献概要

紹介

サリバンの精神病理学

著者: 阪本健二1

所属機関: 1京大精神医学教室

ページ範囲:P.445 - P.455

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A.学説の成立とその特徴
 対人関係の研究として精神病理学を定義したサリバンについては,すでに2,3我国でも紹介されているが,神経症や分裂病に対する彼の考え,すなわち彼の疾病理論はまだわが国ではよく知られていないようである。それで,以下主にこの問題について,彼の著書および私が米国滞在中にWilliam Alanson White Instituteで彼の弟子たちから学び得た所によつて簡単に述べて見たい。
 サリバンは結局その厖大な精神病学の体系を完成せずに死んだので,2〜3の例外をのぞいては系統的な記述を残していない。その上,出版されている彼の講義は特定の分析医たちに対してなされたもので,その文章は特有の持つて廻つた,ためらうような表現に満ちており,かつ彼一流の皮肉でつらぬかれていて,この学説の理解をいよいよ困難にしている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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