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文献概要
研究と報告
小児分裂病の爪床部毛細血管像
著者: 小西輝夫12
所属機関: 1加茂病院 2大阪市大神経科
ページ範囲:P.551 - P.555
文献購入ページに移動Ⅰ.序言
幼児や小児にも精神分裂病様症状がみられることは,De Sanctisの最早発性痴呆Dementia praecocisslma(1905〜1908)の記載によつて知られているが,これが果して成人における分裂病と同一のものであつたかどうかは疑問である。その後Leo Kannerは,小児に著明な自閉症状が生じ,急速に人格崩壊をきたす1群の精神疾患について報告(1943)し,これを小児自閉症early infantile autismと名づけたが,その後本邦でも,当教室の黒丸が1954年に本症例を報告(第51回日本精神神経学会)し,以来本症に対する関心がとみに高まつている。本症については現在はまだ症状記載の段階といつてもよく,今後にまつべき研究の課題が数多くあるものと思われるが,私は本症を含む小児分裂病者の爪床部毛細血管像の生体顕微鏡的観察を試み,若干の所見を得た。
幼児や小児にも精神分裂病様症状がみられることは,De Sanctisの最早発性痴呆Dementia praecocisslma(1905〜1908)の記載によつて知られているが,これが果して成人における分裂病と同一のものであつたかどうかは疑問である。その後Leo Kannerは,小児に著明な自閉症状が生じ,急速に人格崩壊をきたす1群の精神疾患について報告(1943)し,これを小児自閉症early infantile autismと名づけたが,その後本邦でも,当教室の黒丸が1954年に本症例を報告(第51回日本精神神経学会)し,以来本症に対する関心がとみに高まつている。本症については現在はまだ症状記載の段階といつてもよく,今後にまつべき研究の課題が数多くあるものと思われるが,私は本症を含む小児分裂病者の爪床部毛細血管像の生体顕微鏡的観察を試み,若干の所見を得た。
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