文献詳細
文献概要
研究と報告
共生的精神病(M. Mahler)と思われる1例
著者: 高木隆郎1 川端利彦1
所属機関: 1京都大学精神科
ページ範囲:P.569 - P.573
文献購入ページに移動このような母への寄生的な状況の中で,繰返し行われる母との身体的な接触は,子供に自己の身体感覚を学ぶ機会を与え,それによつて子供は徐々に母あるいはそれ以外の対象と自己との区別を知るようになる。子供のかかる感覚の分化は自我発達の一つの段階を意味するのであるが,これらは言葉がいえ,歩行が可能になるなどの身体的な成熟と相まつて母との分離をうながし,子供は次第に母への寄生的な関係を離れて独立の活動へと向うようになる。
掲載誌情報