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第6回精神医学懇話会 精神医学における人間学の方法
精神医学における人間学の方法—第6回精神医学懇話会
著者: 島崎敏樹1 笠原嘉2 三好郁男3 森山公夫4 宮本忠雄5 土居健郎6 小川信男7 藤田千尋8 霜山徳爾9 佐治守夫10 金子嗣郎11 中根晃5 吉永五郎12 加藤清2 村上仁2
所属機関: 1東京医科歯科大学 2京都大学精神科 3神戸大学精神神経科 4神経研究所 5東京医科歯科大学神経科 6聖路加国際病院神経科 7足立病院 8慈恵会医科大学神経科 9上智大学文学部 10東京大学教育学部 11東京都立松沢病院 12九州大学神経精神科
ページ範囲:P.24 - P.38
文献購入ページに移動島崎(司会)きようの懇話会のテーマは「精神医学における人間学の方法」です。人間学という言葉には,ある人間くささがあります。この人間くささというものは,1920年代から始まりましたBinswangerの思想の芽生えから,30年代のvon Gebsattel,Straus,Storchを経まして,現代の中堅若手にいたるすべての人びとから立ちのぼつているにおいです。においというものはひとひとに,ある人は好ましいと感じ,ある人にはうとましいと感じられるものです。
好き嫌いというものは物理学にも化学にもあります。私は物理が得意ですとか,化学が不得意ですとかいうことがあります。しかしそういう得手,不得手というものでは,知的な賦与が問題でありまして,自分は人間として物理学が好きであろ,嫌いであるという意味合いはうすいわけです。ましてその学問それ自体に,においがあるというのではありません。まさに人間学はそこが違います。
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