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文献詳細

雑誌文献

精神医学10巻1号

1968年01月発行

文献概要

研究と報告

動脈硬化性病変を伴つたAlzheimer病の1剖検例

著者: 近藤重昭1 相沢宏邦1 坂本玲子1 畠就康1

所属機関: 1東北大学医学部精神医学教室

ページ範囲:P.57 - P.62

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Ⅰ.緒言
 周知のように1906年Alzheimer1)が,初めて老人痴呆のなかでeine eigenartige Krankheitの1例を報告し,Kraepelin2)によってAlzheimer病と命名された本疾患は,その後あいついで諸家により報告され,Perusini3),Grunthal4)らをはじめとして古くから詳細な研究が少なくない。しかし初老期に発病する古典的な症例のみならず,若年期5)6),あるいは家族性に出現する例7)8)から,さらに諸因子によつて類縁の臨床・組織学的症状を呈するものが加えられて,本疾患の症候学も解決しつくされるまでにいたらないし,病因に関しても老人斑,原線維変化に代表される老人性変化の成因に問題を残しているといわねばならない。
 本邦では,すでに猪瀬9),原10)11)らのすぐれた論文があるが,1952年露木の剖検が初例とされ,剖検報告例は十余例にすぎない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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