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文献詳細

雑誌文献

精神医学10巻1号

1968年01月発行

文献概要

研究と報告

精神科特殊薬物の大量療法について(第1報)—大量療法の意義と定式化をめぐつて

著者: 吉川武彦1 米沢照夫1 中村征一郎1 竹内竜雄1 矢野徹1 亀井清安2

所属機関: 1千葉大学医学部神経科 2榛名病院

ページ範囲:P.65 - P.70

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I.はじめに
 精神科の治療体系のなかにphenothiazine系薬物が導入され,特殊薬物療法として開発されて以来すでに10数年が経過した。この間,精神病,とくに精神分裂病の本質論をさておいて,さまざまな症状の改善と病者の社会復帰を容易にした意義は大きい1)6)
 この結果,現在の精神病の治療が,ともすると病者の社会復帰に目が向けられ,これを中心に語られ,薬物療法も社会復帰との関連において研究されがちである6)。これは,このかぎりにおいて意義あることであるが,しかしこのなかにあつても,いわゆる陳旧性分裂病として精神病院の片隅にうずくまる一群があることは忘れることのできない現実である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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