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研究と報告
精神科特殊薬物の大量療法について(第1報)—大量療法の意義と定式化をめぐつて
著者: 吉川武彦1 米沢照夫1 中村征一郎1 竹内竜雄1 矢野徹1 亀井清安2
所属機関: 1千葉大学医学部神経科 2榛名病院
ページ範囲:P.65 - P.70
文献購入ページに移動精神科の治療体系のなかにphenothiazine系薬物が導入され,特殊薬物療法として開発されて以来すでに10数年が経過した。この間,精神病,とくに精神分裂病の本質論をさておいて,さまざまな症状の改善と病者の社会復帰を容易にした意義は大きい1)6)。
この結果,現在の精神病の治療が,ともすると病者の社会復帰に目が向けられ,これを中心に語られ,薬物療法も社会復帰との関連において研究されがちである6)。これは,このかぎりにおいて意義あることであるが,しかしこのなかにあつても,いわゆる陳旧性分裂病として精神病院の片隅にうずくまる一群があることは忘れることのできない現実である。
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