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雑誌目次

雑誌文献

精神医学10巻10号

1968年10月発行

雑誌目次

展望

大学精神衛生

著者: 石川清

ページ範囲:P.765 - P.773

I.はじめに
 いまからちようど半世紀前の大正7年(1918)4月2日,第17回日本神経学会総会(呉秀三会長)16)で,内務大臣宛に「精神病者ハ我全国ニ於テ凡ソ十数万人ニ及ブベシ……保健調査会ノ調査ニヨレバ全国ノ精神病者凡六万五千人中病院ニ於テ治療ヲ受ケ居ルモノハ五千人許ニシテ他ハ悉ク自宅監置ノモノナリ……」という実状に基づき,「精神病者保護治療」の充実を要求する建議がなされたことは周知の事実であるが,同時に文部大臣宛にも「児童ノ精神状況ハ教育訓練上大ニ顧慮スベキモノナリ目下小学中学ノ生徒ニツキ身体状態ハ稍々研究セラレツツアルモ精神状態ニツキテハ甚閑却セラレタルノ観アリ当局ニ於テモ比点ニ関シテ充分ニ尽心セラレンコトヲ望ム」(全文)という建議がなされているのである。
 この記念すべき総会は「純医学上見地ヨリ」,すでに病にかかり苦しんでいる人々に対する医療とともに,病に陥りつつある青少年に対する医学的方策について強く発言したのであつて,精神医療と学校精神衛生というきわめて現代的な課題をすでにふまえていた先達の慧眼には敬服せざるをえない。

研究と報告

分裂病家族の人格特徴—ロールシャッハ・テストによる自我構造論

著者: 金子仁郎 ,   辻悟 ,   古荘和郎 ,   林正延

ページ範囲:P.774 - P.780

I.はじめ
 臨床的に分裂病者の家族と接して,その人格構造にいちじるしい特異性を感じとり,その特徴がきわめて非一般的なものであることに気づくことはめずらしいことではない。分裂病家族についての研究のあるものは,こうした家族の持つ人格構造の偏倚に対する興味から出発したものであり,それはあるときは遺伝生物学的問題として追求され,またあるときは病者を育む心理学的環境因子として分析されてきた。最近の分裂病の家族研究は,家族成員そのものよりも家族を全体として把握し,その力動的相互関係を明らかにしようとする方向をとつており,家族成員個々の問題はあまりとりあげられていないように思われるが,いまだ,そうした家族成員の人格特徴は十分に詳細化されたとはいえない。
 われわれは分裂病家族の人格構造を詳細化し,さらに分裂病家族の力動的様相を明らかにする目的で家族力動の追求とともに病者および各家族成員に数種の心理テストを施行してきた。

精神分裂病家族の家族内コミュニケーション

著者: 金子仁郎 ,   辻悟 ,   林正延 ,   古荘和郎

ページ範囲:P.781 - P.787

I.はじめに
 精神分裂病の家族研究は,現在,さまざまな立場と方法論に基づいた知見が得られつつある。われわれは,人間関係成立のうえでもつとも重要な基本要素となる,情報伝達のありかたに研究の焦点を置き,家族内コミュニケーションの特徴と,それから引き出せる家族力動を明らかにしようとした。この目的のため,L. C. Wynne(1963)らが発表した,Family Rorschach(以下F. R. と略)に着目した。
 この論文は,F. R. の紹介・症例検討およびこれまでに得た成果の一部を報告する。

逆転移と治療者のパーソナリティのとりあげかた—大学教室における精神療法スーパービジョンのなかで

著者: 小此木啓吾 ,   鈴木寿治

ページ範囲:P.789 - P.795

Ⅰ.まえがき
 こんにちの精神医学の臨床教育にとつて,精神療法の適切な指導と学習が重要なのは論ずるまでもないが,いざ大学教室のなかでこれを実践しようとすれば,精神療法の特殊性に由来する数多くの困難に出会うことになる。われわれとしては,まずそれらの困難を明らかにし,その現実的解決に努力する一方,与えられた現実状況に即した教育方法を発展させねばならない1)2)。すなわち精神療法教育一般のなかで純粋なかたちで理想とされる治療者の教育と訓練3)を,大学教室では,どんなかたちで,どのような範囲について行なうのが適切かは,それぞれの教育関係の性質や,教育環境に応じて決定されねばならない。そして本報告は,このような配慮のもとにわれわれがこころみてきた大学教室における精神療法スーパービジョン(supervision)の初歩的段階の報告である。たとえば逆転移(countertransference)や治療者のパーソナリティをスーパービジョンで,どのようなかたちで,どんな程度にとりあげるかは,これらの教育関係や環境の現実状況ときわめて密接な関連をもち,スーパーバイジー(supervisee)の学習段階に適応したものでなければならない。ここでは,大学教室における精神療法スーパービジョンの一般的論議はべつの機会にゆずり,スーパービジョンの中心的課題となる逆転移とパーソナリティの問題をわれわれがどのようなかたちでとりあげたかについて,まだ初歩的段階にあつた具体的な1人の治療者の治療関係について報告したいと思う。

一反応性うつ病の精神力動

著者: 阪本良男 ,   梶山清子

ページ範囲:P.797 - P.799

I.はじめに
 精神科外来を訪れる患者のうちで抑うつ状態,すなわち,悲しみ,失望,孤独感,孤立感などを主訴として来院する者は少なくない。このような患者は,悲しみを表現し,死にたいといい,なにか泣きたいような,また単に憂うつであると表現したりする。また一方,その抑うつ的気分がおおい隠されて,全身倦怠,不眠,食欲不振,焦躁感,またはその他のいろいろの身体的訴えとして表現されたりすることもある。しかし,臨床的に抑うつ状態は正常者に近い者から精神病までその訴える患者の範囲は広い。また抑うつ状態にはそれに前駆する要因のあることが多いが,その示す抑うつ状態の期間,および程度は患者によりさまざまである。
 さて,最近われわれは,自殺企図を伴つた抑うつ状態で来院し,その治療をとおして患者の示した病像の精神力動が比較的よく認められた症例を経験したので,その患者の示した精神力動を追求し,その抑うつ状態について二,三の知見を述べたい。

詐病という病識錯誤について

著者: 小泉隆徳

ページ範囲:P.801 - P.806

Ⅰ.まえがき
 精神病ことにいわゆる内因性精神病の場合,精神障害が一応消褪してから,あるいはまだ障害が去らないうちに,自己の精神障害の状態の一部あるいは全部を指して,芝居をしていた,わざとやつたと述べる患者がいる。すなわち詐病であると自ら告白するのである。内因性精神病と診断して,あとで患者がそれは詐病であつたというのを信用するなら,医師の誤診である。実際内因性精神病があつて,医師が正しく診断しており,あとで患者が詐病であつたというなら疾患隠蔽か,あるいは特有の誤つた病識というべきである。疾患隠蔽1)というのは,たとえば慢性妄想患者が,自分が精神病と思われることを避けるために,実際妄想がありながらそれを隠すとか,うつ病の患者が自殺の目的を悟られないために,憂うつな気分を隠すという場合であるが,この場合患者は,他人は自分を病気ということは知つていても,自分を病気とは思つていないのであつて,すなわち病識はないのである。いまここで述べる特殊の疾患隠蔽にやや似た例は,Bleuler2)が述べている。すなわちある妄想患者が,周囲の人が皆自分をだまして精神病に仕立てようとして妙なことをやるので,病院に入れられて自分が健康であると見てもらうために精神病のまねをしたという。これは妄想患者の詐病である。疾患隠蔽ではない。Kraepelin3)は患者の精神分裂病は詐病であると思えるときでも,しばらく見ているとほとんどその全部が実際に分裂病とわかるものであるというが,これは検者の誤診となろう。検者の了解過多による誤診である。

森田療法における諸問題—治療者の基本的態度を中心として

著者: 藍沢鎮雄 ,   大原健士郎 ,   増野肇 ,   宮田国男

ページ範囲:P.811 - P.815

I.はじめに
 精神分析的な精神療法は,治療者・被治療者間の人間関係を離れては成り立たない。当然のことながら,その構造や治療過程も治療者・被治療者関係を中軸として論じられる。しかし,森田療法においては,従来治療的人間関係を明らかな問題意識をもつて主題にすることはまれであつた。むしろ,人間関係を介して起こる治癒の過程よりも,作業や自然とのふれあいなどをとおして飛躍的に起こる体得の次元が重視された。換言すれば,治療者・被治療者間の言語的なcommunicationでは到達できない,言葉を超越した地点のみが強調されてきたといえる。しかし問題はこの洞察の次元にいたるまでの過程にこそあるのであり,その過程で治療者・被治療者間の人間関係はどうか,治療者はどのような役割をはたすのか,ということに存するはずである。
 この問いに対して,治療者はただ被治療者を臥褥させ作業過程に導く存在,いわば,一つの治療的環境を整えるだけの存在にすぎないという解釈もある。いつてみれば,治療者は一つの治療の場の雰囲気調整者とでもいうべき役割をはたすにすぎず,極論すれば適当な治療の場さえあれば,治療者不在のまま,リモート・コントロールも可能であるということになる。その一方,森田療法における治療的人間関係は日本文化の上下の身分秩序の伝統による,権威—依存関係のうえに成立するという説もある。となれば,リモート・コントロールどころか,治療者の強力な介入が絶対必要となつてくる。

精神神経症状を呈した全身性エリテマトーデスの2例

著者: 松本胖 ,   十束支朗 ,   緑川隆

ページ範囲:P.817 - P.826

I.はじめに
 全身性エリテマトーデス(以下SLEと略す)の中枢神経症状に関してはHebra & Kaposi9)が初めて記載して以来,こんにちまで比較的多数の報告2)〜4)6)7)18)20)23)があるが,その症候学はまだ確立されていない現状にある。
 著者らは最近,全身性けいれんおよび可逆性のいちじるしい痴呆様状態を呈した症例と,性格変化を主体とした精神症状の背後に器質的病変を疑わせる所見を示した症例を経験したのでここに報告し,あわせて文献的考察を加えた。

宗派と犯罪—その社会精神病理学的考察

著者: 小田晋

ページ範囲:P.827 - P.831

 われわれは,近年本邦で急速に発展し,信者650万世帯を有するにいたり,政治・文化的方面でも大きな影響力をもつにいたつた日蓮宗系の新興教団である1仏教分派(仮称N-S宗派)の信者の呈する精神障害と病態との関係についてさきに報告した。今回は同宗派の信者の犯罪例で信仰,精神障害,犯罪の3者の相互関係の認められるもの4例を選んで,社会精神病理学的な考察を加え,同宗派の教義,信仰形態,組織との関連性を検討した。4例は精神医学的には,てんかん1,精神病質1,うつ状態1,心因性葛藤反応1である。同宗派信者は,社会における少数派集団の1つとして,集団外に対する敵意,攻撃性を蓄積し,これが反社会的行動として放散される場合があること,同宗派の有するヒエラルヒー的組織が組織と人問性との葛藤をまねき,危機犯罪の副次的原因となることがありうること,同宗派の教義のもつ「正法と三障四魔の闘争」という概念が,たとえばてんかん性もうろう状態における傷害事件の1契機となつた場合があることなどが明らかになつた。信仰は犯罪に対してはむしろ阻止的にはたらくとされ2)7),同宗派の場合も,信者全般についてはそうであるとも考えられ,症例においても,信仰が犯罪の主要原因となつているとはされないが,特殊の信念を有する少数派集団の社会病理として,このような事例が認められたことを報告した。

保健所における精神衛生定期相談の現況と問題点

著者: 菊地潤 ,   近藤重昭 ,   加藤委奈子 ,   新宮幸子 ,   堀浩

ページ範囲:P.833 - P.838

I.はじめに
 昭和40年6月の精神衛生法一部改正によつて,地域社会における精神衛生活動の第一線機関としての保健所の役割が規定された。保健所における精神衛生業務のおもなものとして,大谷1)は,(1)管内における精神衛生的諸問題の把握,(2)精神衛生相談,(3)訪問指導,(4)集団指導,(5)地域社会へのよびかけ,(6)精神衛生教育,(7)精神衛生法関係事務などをあげているが,地域社会における実際的活動にさいして,これらの業務はそれぞれ密接に関連しており,すべてが十分にはたされることが理想ではあろうが,現実にはいろいろの障害があり,Baker, F. およびSchulberg, H. 2)も述べているように,対象地域について,現実的に可能と思われる目標に焦点をしぼつて,活動を進めざるをえない状況にある。そういう意味で,わが国の保健所における精神衛生活動としては,Baker, F. らのいう第二次予防にあたる,精神障害者の早期診断・積極的治療および再発予防が,当面の中心的活動となろう。
 宮城県においては,昭和31年から県内保健所において,精神衛生定期相相談活動を行なつてきており,現在では仙台市をのぞく県内14保健所のうち13保健所に及び,この活動は,精神衛生相談所,精神衛生協会および東北大学神経精神科の協同作業のかたちで進められている。

Dimethacrin(Istonil)のうつ病に対する使用経験

著者: 森温理

ページ範囲:P.839 - P.841

 (1)Dimethacrin(lstonil)を23例の各種うつ病およびうつ状態に使用した。使用方法は経口投与とし,使用量は1日50〜200mg(2〜8錠),使用期間は10〜124日であつた。
 (2)使用成績では完全寛解3,改善7,やや改善2,無効9,判定不能2を得た。完全寛解と改善とを合わせて有効例とすると21例中10例(47.6%)に効果がみられた。
 (3)病型では周期性うつ病にもつとも効果が高く,他の型ではやや劣る。抑うつ気分,不安・苦悶,抑制など種々の抑うつ症状に作用するが,うつ病判定表による評点では,やや抑制面に対する改善効果が強いように思われた。
 (4)副作用は23例中8例(34.6%)にみられ,おもなものは口渇,血圧下降,発疹などであるが,1例に躁転がみられた。副作用は一般に軽度であつた。

症例検討よりみた薬物の効果判定の問題—Carpipramineの臨床検討から

著者: 吉川武彦 ,   中村征一郎 ,   根岸敬矩 ,   竹内竜雄 ,   矢野徹 ,   米沢照夫 ,   亀井清安

ページ範囲:P.843 - P.850

I.はじめに
 Phenothiazine系薬物の登場以来,旧来の精神科治療体系のなかに重要な地位を占めるようになつたいわゆる「特殊薬物療法」は,その後もますますさかんになり,初期のchlorpromazine,levomepromazine,perphenazimeなどのみならず,抗うつ剤としてのimipramine系の薬剤,あるいはごく近年のbutyrophenone系の薬剤にいたるまで,きわめて多岐多様にわたつている1)
 しかし,こんにちにいたるまで,これらの薬物の臨床効果については語られることは多くあつたといえても,その効果判定そのものに対しては十分に語られたとはいいがたい。そもそも,薬物の効果はその薬物のもつ特異的・非特異的薬理学的作用の問題とともに,とくに精神科領域における使用にさいしては,治療者・患者関係のなかの一存在としての薬物という観点を導入して語られなければならない。この一面を明らかにしたのがplacebo-reactorの問題であり,placebo-reactorの精神力動を解明する方向から効果判定の一面が明らかにされつつある9)。しかし,このplacebo投与の問題は,日常の臨床場面ではかならずしも容易に行ないうるものではなく,とくに二重盲検法,三重盲検法にいたつては,それ自身がもつ実験的色彩の強さに臨床医は気遅れしがちである。

抗てんかん剤Trinurideによる無顆粒細胞症の1剖検例

著者: 須賀井正謙 ,   高梨利一郎 ,   石黒健夫

ページ範囲:P.851 - P.855

I.はじめに
 医療に使用される薬物のうちには造血障害を招来するものがあり,その1つに無顆粒細胞症がある。無顆粒細胞症は1922年Schultz1)によって初めて記載された疾患で,その後本症は種々の薬物によつて起こることが報告されており,本邦における本症については,大久保2)の統計がある。最近抗てんかん剤としてPhenetrideが比較的副作用の少ない薬物として普及されてきたが,本剤にも再生不良性貧血を起こして死亡した2例が浜田ら3)によつて報告されている。著者らもTrinuride(Phenetrideを主剤とする)の連続服用による無顆粒細胞症で急死した1例を剖検する機会を得たので報告する。

紹介

Psychiatric Clinica発刊について

著者: 保崎秀夫

ページ範囲:P.773 - P.773

 C. Wernicke,Th. Ziehenらによつて1897年S. Karger社より発刊されたMonatschrift für Psychiatrie u. Neurologieは,その後J. Klaesiらにより引続がれ,編集スタッフの増加とともに雑誌のタイトルも英,仏語が加えられるようになつた。
 ここ10年来,さらに国際的な雑誌への発展をめざして,タイトルは「Psychiatria et Neurologia」とラテン名にあらためられ昨年にいたつたが,精神医学と神経病学の分離傾向,欧州におけるそれぞれの領域の発表機関の不足などの情勢により,1968年よりそれぞれ独立して2つに分かれて発刊されることになり,精神医学部門は,「Psychiatrica」として,J. Klaesiの名誉顧問のもとに,E. E. Grünthal,N. Petrilowtschが中心となり,わが国からも大阪医大の満田教授が加わつて編集されることになり,すでに2号まで出ている。発行は年6号題名のとおり精神医学の臨床が中心となつているが(たとえば,この1,2号の中には,内因性精神病,精神病質,アルツハイマー病など)勿論臨床に直結した基礎的研究(M. A. O,その他の生化学的研究など)も発表されている。発表は英語を原則とするが,独語でも仏語でもよい。わが国からの投稿も歎迎するとのことであるので,希望者は満田教授に直接連絡をとられ相談するとよい。

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Dr. Stanley Cobbの訃報

著者: 三浦岱栄

ページ範囲:P.795 - P.795

 故植松教授のふるい友人のひとりであり,わが国でも北大の諏訪教授を初め,師事した人が少なくないボストンのStanley Cobb博士は,本年2月26日ボストンに隣接するケンブリッジ市で逝去された由で,ここに謹んで哀悼の意を表したい。亨年80歳。ハーバード大学の名誉教授であり,またマサチューセッツ総合病院の名誉医長(精神科)であつた。
 私が同博士を知つたのは比較的最近で,それも東京においてであつた。コッブ先生ご夫妻はたしか香港の総領事をしているご子息さんに会いにおもむかれる途中,東京に立ち寄り私たちと歓談したいというお手紙をいただいたからである。先生はAPA(アメリカ精神医学会)の終身会員でもあつたので,たぶんDr. Daniel Blainあたりが"私"を思いついたのかもしれない。Stanley Cobb博士は"精神身体医学"についても一家言を有し,著述も多いので,そんな関係ではないかとも思つたが,ともかく山之内製薬KKにスポンサーになつてもらつて盤若苑で先生ご夫妻をご招待申しあげ,たいそう喜んでいただいた。先生は相当高度の関節リウマチスを患つておられるとみえて,立居振舞はかなり不自由であり,松葉杖なしには歩行も困難のようにお見受けしたが,精神的にはご高齢にもかかわらず"かくしやく"たるものがあることがうかがえた。

基本情報

精神医学

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-126X

印刷版ISSN 0488-1281

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