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文献詳細

雑誌文献

精神医学10巻11号

1968年11月発行

文献概要

研究と報告

精神病者の自殺への力動的接近—治療者-患者関係を中心とした症例検討を通じて

著者: 吉川武彦1 矢野徹1 米沢照夫2 亀井清安3

所属機関: 1千葉大学医学部神経科 2国立精神衛生研究所 3榛名病院

ページ範囲:P.876 - P.882

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I.はじめに
 自殺の研究はわが国においても年々さかんになり,その研究方向もさまざまに分化しつつある。加藤5)は文献的考察と自験例に基づき自殺の研究の総体的な方向づけを示唆した。大原ら6)はこの研究方法をさらに発展させ,膨大な資料をよく整理し可視的にわれわれに示した。
 しかし,これらの貴重な研究のなかにあつても精神病者の自殺の問題はややもすると偏在的な扱いを受けてきたといわざるをえない。われわれは,自殺のなかでも精神病者の自殺に焦点を合わせ,すでに報告8)したように精神病院入院中の自殺につき,とくに治療者—患者関係とそれをとりまく家族の問題をめぐり研究を進めてきた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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