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文献詳細

雑誌文献

精神医学10巻11号

1968年11月発行

文献概要

研究と報告

飲酒嗜癖化に伴う家族の態度および家族内役割の変化

著者: 米倉育男1

所属機関: 1岐阜精神病院

ページ範囲:P.905 - P.910

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I.はじめに
 飲酒嗜癖の形成にさいしては,家族内環境の影響するところが大きいことが指摘されている。すなわち,家系内における大酒家の存在,飲酒ないし飲酒家に対する家族の態度のいかん,家庭内緊張の有無などである。そして,その治療にさいしても家族員の協力支持の重要性が強調されている。
 ところで,飲酒嗜癖化の進捗に伴つて,家族は種々の困難な事態に直面し,嗜癖者に対する家族の態度はしだいに変化していくことが予想され,したがつて,かれらの家族内地位や役割もまた推移するであろうことが推測される。そして,このような家族の態度や,嗜癖者の役割の変化が,患者の治療や予後を左右する大きな要因となるのではなかろうかと考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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