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文献詳細

雑誌文献

精神医学10巻11号

1968年11月発行

研究と報告

著明な幻覚・妄想体験を示したナルコレプシーの1例

著者: 大月三郎1 細川清1 洲脇寛1

所属機関: 1岡山大学医学部神経精神科教室

ページ範囲:P.913 - P.920

文献概要

I.はじめに
 ナルコレプシーの症状と徴候については,種々の総説に詳しく記載されているところであるが(Wilder1),Heyck u. Hess2),Rennert3)),症状のうちで幻覚体験の特異性が注目され(Munzer4),Rosenthal5),臺6))脳脚幻覚症(L' hermitte7))との類似性や,睡眠と覚醒との解離,精神機能と運動機能との解離などが,臨床像から推定されてきた。この推定は最近の睡眠ポリグラフによる生理学的研究の進歩8)〜10)に伴つて明らかにされつつある。われわれは,著明な幻覚,妄想体験を示し,その内容を言語化して伝えうるナルコレプシーの1例を,14歳時と28歳時に詳細に観察する機会を得た。したがつて,この症例における症状と徴候を記載し,幻覚と妄想体験との関係について考察するとともに,睡眠脳波を含めた臨床脳波的検索による所見について報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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