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研究と報告
挿間性精神病状態を経過した日本脳炎後遺症の1例
著者: 鈴木二郎12
所属機関: 1神経研究所 2東京大学精神医学教室
ページ範囲:P.119 - P.125
文献購入ページに移動 日本脳炎罹患後14年を経て,特異な挿間性精神病状態を経過し,罹患17年後に軽快した1例について報告した。本例は幼児期罹患急性期後に中等度の知能障害と幼稚さを中心とする人格異常を示しつつ経過し,17歳にいたつて,情動,意欲の変動を根底にした抑うつ気分,不機嫌状態を主体に,緊張症候群,幻覚,被害念慮などの異常体験,ヒステリー的色彩などの病像を呈した。これらの挿間性異常状態と間欺期とについて,臨床的,脳波学的,体液学的に検索して,興味ある所見を得,さらに向精神薬などをもちいて治療を行なつた。これらの所見について,臨床精神病理学的,脳波学的に検討し,さらに本後遺症の病因論についても若干の考察をこころみた。
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