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文献詳細

雑誌文献

精神医学10巻3号

1968年03月発行

文献概要

研究と報告

分裂病および神経症の患者とその両親の同胞順位

著者: 井村恒郎1 野上芳美1 山口隆1 萩原信義1 矢野鎮夫1 小林継夫1 石川隆子1 伊藤健美1 仲曽根泰昭1

所属機関: 1日本大学医学部精神神経科

ページ範囲:P.191 - P.195

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 著者らは当科受診の分裂病970例,神経症1,378例について患者の同胞順位を調査し,さらに一部の資料については両親のそれをも調査し,以下の結果を得た。
 (1)患者の同胞順位に関しては,分裂病女子患者は同性順位のうえで末女が多く,また分裂病男子患者は神経症の男子および女子患者と同じく,同胞数の多少により長男・長女と末男・末女の比率が逆転するという前回の報告と同様の成績が確認された。
 (2)両親の同胞順位に関しては,多数同胞例の場合にかぎるが,分裂病女子患者の父親に長男が多く,神経症男子患者の両親には長男と長女がそれぞれ多い。この傾向は推計学的に高度に有意である。
 (3)以上の所見は,両疾患においてその機制が相異なるにせよ,病因としての家族内力動の歪みが同胞順位という側面から観察されたものであることを指摘した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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