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地域精神医学会の発足
著者: 岡田靖雄1
所属機関: 1東京大学医学部精神神経科
ページ範囲:P.255 - P.259
文献購入ページに移動Ⅰ.地域精神医学会の設立まで
"ここに地域精神医学会の設立を宣言します"という,菅又淳(東京都立精神衛生センター)とともに設立総会議事の議長をつとめた高木隆郎(京大)の声が響いたのは,1967年11月16日午後5時45分のことであつた。
その設立趣旨書(1967年6月1日づけ)にも述べられているところであるが,近年における精神医療体系の整備,その制度化の一つの現われである1965年の精神衛生法改正,患者家族会の活動などによつて,病院外活動の比重がいちじるしく増してきているのである。だが,いままでの大学のクリニクや精神病院のなかで組み立てられてきた精神医学は,施設外に出ると暗室から白昼へ出た人のように行くべき方向をみさだめかねる。また,みずからみさだめた方向にあるきだそうとすると,行政上その他数多くの障壁にぶつかるのである。
"ここに地域精神医学会の設立を宣言します"という,菅又淳(東京都立精神衛生センター)とともに設立総会議事の議長をつとめた高木隆郎(京大)の声が響いたのは,1967年11月16日午後5時45分のことであつた。
その設立趣旨書(1967年6月1日づけ)にも述べられているところであるが,近年における精神医療体系の整備,その制度化の一つの現われである1965年の精神衛生法改正,患者家族会の活動などによつて,病院外活動の比重がいちじるしく増してきているのである。だが,いままでの大学のクリニクや精神病院のなかで組み立てられてきた精神医学は,施設外に出ると暗室から白昼へ出た人のように行くべき方向をみさだめかねる。また,みずからみさだめた方向にあるきだそうとすると,行政上その他数多くの障壁にぶつかるのである。
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