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研究と報告
回復期うつ病者の精神療法
著者: 矢崎妙子1
所属機関: 1東京医科歯科大学神経精神医学教室
ページ範囲:P.277 - P.284
文献購入ページに移動I.はじめに
内因性精神病の「病因」については,その言葉の示すように,「内因」すなわち「遺伝的素質」に,より多くの原因があると推定され,また,心身二元論的な立場からは,「身体因」が重要視されている。なかでも躁うつ病は,分裂病と比較してより生物化学的な次元での障害として解明することができると主張されている。
さて躁うつ病の治療も,他の疾病と同じように原因療法が行なわれるべきで,身体療法の可能性を追及することこそが急務であり,その精神療法など論外の事柄であると極論する学者もいる。しかしかれらはいまだ未解決である躁うつ病の原因を,「身体因」にのみかぎつてしまうという偏見をおかしている。だが,このような躁うつ病の精神療法の役割をまつたく否定する学者はごく少数である(Speer, Glover)。
内因性精神病の「病因」については,その言葉の示すように,「内因」すなわち「遺伝的素質」に,より多くの原因があると推定され,また,心身二元論的な立場からは,「身体因」が重要視されている。なかでも躁うつ病は,分裂病と比較してより生物化学的な次元での障害として解明することができると主張されている。
さて躁うつ病の治療も,他の疾病と同じように原因療法が行なわれるべきで,身体療法の可能性を追及することこそが急務であり,その精神療法など論外の事柄であると極論する学者もいる。しかしかれらはいまだ未解決である躁うつ病の原因を,「身体因」にのみかぎつてしまうという偏見をおかしている。だが,このような躁うつ病の精神療法の役割をまつたく否定する学者はごく少数である(Speer, Glover)。
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