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文献詳細

雑誌文献

精神医学10巻4号

1968年04月発行

研究と報告

学校恐怖症に関する考察

著者: 有岡巌1 大海作夫1 勝山信房1 南耀子1

所属機関: 1奈良県立医科大学神経精神科学教室

ページ範囲:P.290 - P.294

文献概要

Ⅰ.緒言
 Johnsonら7)がschool phobiaなるものの概念を設定して以来,この状態についての多くの報告が行なわれてきた。そして,school phobia(学校恐怖症)の同義語として,neurotic school phobia,anxiety-neurosis school phobia,school refusal(登校拒否)およびrefusal to go to schoolなどがみられている。
 Johnsonらによれば,school phabiaなるものはつぎのごとく規定される。すなわち,この状態は登校することに関する強い恐れで特色づけられており,そのため数週・数カ月ときには数年もの間学校に行かなくなるものである。そして,さらに,この状態は精神神経症的なものであり,恐怖症的傾向のうえに,さらにヒステリー的または強迫神経症的傾向がoverlapしたものであるとしている。この概念からみると,phobiaなる表現をもちいてはいるものの,その構造は複雑なものと解しうる。さらにHersov5)6)は,school refusalにつき,不安反応・抑うつ反応・ヒステリー反応そしてまた強迫神経症的な障害などの診断的分類を記している。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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