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文献詳細

雑誌文献

精神医学10巻5号

1968年05月発行

特集 うつ病—日本精神病理・精神療法学会(第4回大会シンポジウム)

Ⅰ部 Pathogenieとの関連における性格と状況

住まいの変化とうつ病—状況分析の一つのモデルとしてのいわゆる引越しうつ病

著者: 飯田真1

所属機関: 1東京大学小石川分院神経科

ページ範囲:P.356 - P.362

文献概要

 住まいの変化によつてうつ病の誘発された11症例について,住まいの変化を住まいの変わる状況(転居)と住まいをつくる状況(建築)とに分け,うつ病の誘発されていく様相を臨床的に分析し,この状況のもつ病因的意味関連をうつ病になる人間の特有なありかたとの関連において明らかにしようとこころみた。
 本論にはいるにさきだつて,躁うつ病の誘発に関する問題の歴史を回顧し,状況,状況因,状況分析についてのおおよその概念をv. Baeyerの考えかたをたどりつつ紹介した。
 転居の場合には発病の時期に従つて症例を転居前,転居中,転居後の3つの場合に分けた。転居うつ病になる女性に特有な住まいかたに言及した後,転思という状況の構造を住まいの空間の喪失-獲得という枠組みからとらえ,上の3つの場合についてその病因的意味を考察した。
 建築の場合には,発病の時期に従つて建築計画の決定,新居に入居後の2つの時期に分けた。これらの状況の構造をBelastung-Entlastungとしてとらえ,うつ病になる人間のありかたとの関連において,これらの状況のもつ病因的意味について考察した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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