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特集 うつ病—日本精神病理・精神療法学会(第4回大会シンポジウム) Ⅱ部 Schuldgefühl(罪責感)
うつ病者の「罪の意識」について
著者: 矢崎妙子1
所属機関: 1東京医科歯科大学神経精神医学教室
ページ範囲:P.370 - P.375
文献購入ページに移動I.はじめに
うつ病者の述べる「罪」に関連したさまざまな訴えについて,われわれは,ある時にはそれを「罪責妄想」と命名し,またある時にはそれを「罪責感情」と呼んでいる。この両者を厳密に区別することは,とりもなおさず,「思考」と「感情」という二つの心理的要素を,厳密に区別しなければならず,実際的には,それはきわめて困難なことである。しかし臨床的には,「思考面の障害」が優位である場合には「罪責妄想」といい,それに対して「感情面の障害」が前景にあるものに対しては「罪責感情」と命名しているように思われる。
しかし,この問題をより深く考察してみるならば,これは,単にこのような「術語上」の問題であるばかりではなく,内因性うつ病の本質を解明する糸口を提起していることがわかる。
うつ病者の述べる「罪」に関連したさまざまな訴えについて,われわれは,ある時にはそれを「罪責妄想」と命名し,またある時にはそれを「罪責感情」と呼んでいる。この両者を厳密に区別することは,とりもなおさず,「思考」と「感情」という二つの心理的要素を,厳密に区別しなければならず,実際的には,それはきわめて困難なことである。しかし臨床的には,「思考面の障害」が優位である場合には「罪責妄想」といい,それに対して「感情面の障害」が前景にあるものに対しては「罪責感情」と命名しているように思われる。
しかし,この問題をより深く考察してみるならば,これは,単にこのような「術語上」の問題であるばかりではなく,内因性うつ病の本質を解明する糸口を提起していることがわかる。
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