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文献詳細

雑誌文献

精神医学10巻5号

1968年05月発行

特集 うつ病—日本精神病理・精神療法学会(第4回大会シンポジウム)

Ⅱ部 Schuldgefühl(罪責感)

うつ病性罪責体験について—分裂病性罪責体験との比較考察

著者: 梶谷哲男1

所属機関: 1中央鉄道病院神経科

ページ範囲:P.380 - P.386

文献概要

I.はじめに
 「罪は無知である」といつたSokrates,「絶望は罪である」と論じたKierkegaardなど罪(Schuld)は,古来哲学的,神学的,文学的各領野にわたつて主要なテーマであつた。ことにNietzscheは,主として道徳的概念を意味したSchuldが,実はきわめて物質的な負債(schulden)に由来することを明らかにしている。わが国でも「済まない」という詫びの言葉が,負債としての意味をもつ罪貴(Schuld)の概念に通じていると和辻が指摘している。
 さて,罪はいろいろに区分されているが,Jaspersはこれを,刑法上の罪,政治上の罪,道徳上の罪,形而上の罪の4つに分けている。しかし一般に罪(Schuld)といえば,「他者に対する加害行為の結果生じた負債」を意味するものと考えてよいであろう。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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