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文献詳細

雑誌文献

精神医学10巻5号

1968年05月発行

文献概要

研究と報告

新抗うつ剤Dimethacrinの使用経験

著者: 木村敏12

所属機関: 1京都大学医学部精神医学教室 2水口病院

ページ範囲:P.417 - P.422

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Ⅰ.序論
 最近数年間における種々の抗うつ剤の出現は,うつ病の臨床だけではなく,その精神病理学に対しても,新しい時代をもたらしたといえる。精神病理学が治療の学としての臨床精神医学につねに根ざしているべきである限り,われわれ精神病理学者にとつて,向精神薬物の臨床効果はただ単に関心の的となるだけではなく,積極的に取組まねばならぬ課題ですらある。以下の報告は,このような著者の精神病理学的な立脚点に立つて書かれたものであることを最初に強調しておきたい。
 ここに報告する新しい抗うつ剤Dimethacrinは,スイスのSiegfried社がWagner-Jaureggの指導のもとに開発した製品(商品名Istonil)であつて,その化学構造は9,9-dimethyl-10-dimethylamino-propylacridan Bitartratであり,抗うつ剤としては,Diphenylmethan誘導体のMelitracenおよびDiphenilamin誘導体のImipraminと構造上の近似性を有する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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