icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学10巻6号

1968年06月発行

文献概要

研究と報告

自己像視の人間学的構造

著者: 石福恒雄12

所属機関: 1三楽病院神経科 2東京医科歯科大学神経精神医学教室

ページ範囲:P.465 - P.470

文献購入ページに移動
 以上著者は分裂病者における自己像視の動態を現象学的に考察し,そこに,1.被害的世界での上昇,2.Paradoxalな死,3.共人間的局面をそなえた,あるいは立場を得たすがたのなかでの上昇を経て,4.消退することを明らかにした。
 ところで,自分のすがたを見るという知覚のなかで,見られる自分は,見る自分と異なつてくる。いいかえれば,自分を見るという身体の運動のなかで,自己像は光学的な「ありのまま性」を失う。しかしそれにもかかわらず患者はこのすがたを自分のものと体験する。
 著者はこのような,そのときの自己とはへだたつた自分をわがものにしようとする身体の運動のなかに,自己像視の自己実現的運動をみいだし,これに人間学的考察を加えた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら