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研究と報告
自己像視の人間学的構造
著者: 石福恒雄12
所属機関: 1三楽病院神経科 2東京医科歯科大学神経精神医学教室
ページ範囲:P.465 - P.470
文献購入ページに移動ところで,自分のすがたを見るという知覚のなかで,見られる自分は,見る自分と異なつてくる。いいかえれば,自分を見るという身体の運動のなかで,自己像は光学的な「ありのまま性」を失う。しかしそれにもかかわらず患者はこのすがたを自分のものと体験する。
著者はこのような,そのときの自己とはへだたつた自分をわがものにしようとする身体の運動のなかに,自己像視の自己実現的運動をみいだし,これに人間学的考察を加えた。
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