文献詳細
研究と報告
文献概要
以上著者は分裂病者における自己像視の動態を現象学的に考察し,そこに,1.被害的世界での上昇,2.Paradoxalな死,3.共人間的局面をそなえた,あるいは立場を得たすがたのなかでの上昇を経て,4.消退することを明らかにした。
ところで,自分のすがたを見るという知覚のなかで,見られる自分は,見る自分と異なつてくる。いいかえれば,自分を見るという身体の運動のなかで,自己像は光学的な「ありのまま性」を失う。しかしそれにもかかわらず患者はこのすがたを自分のものと体験する。
著者はこのような,そのときの自己とはへだたつた自分をわがものにしようとする身体の運動のなかに,自己像視の自己実現的運動をみいだし,これに人間学的考察を加えた。
ところで,自分のすがたを見るという知覚のなかで,見られる自分は,見る自分と異なつてくる。いいかえれば,自分を見るという身体の運動のなかで,自己像は光学的な「ありのまま性」を失う。しかしそれにもかかわらず患者はこのすがたを自分のものと体験する。
著者はこのような,そのときの自己とはへだたつた自分をわがものにしようとする身体の運動のなかに,自己像視の自己実現的運動をみいだし,これに人間学的考察を加えた。
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