icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学10巻7号

1968年07月発行

文献概要

特集 集団精神療法(日本精神病理・精神療法学会第4回大会シンポジウム) Ⅰ部・主発表

集団精神療法—精神分析的方向づけから

著者: 鈴木寿治1

所属機関: 1武田病院

ページ範囲:P.530 - P.535

文献購入ページに移動
Ⅰ.まえがき
 わが国で集団精神療法が研究され実施され始めてから,20年足らずの経過を持つにすぎない。そしてそれはまだわが国の社会的文化的条件に確実に根をおろしたとはいいがたく,その発展は今後の課題であると考えられる1)2)。したがつて,本学会のシンポジウムでこの問題を取上げたのは,集団精神療法がわが国においていかにこころみられつつあり,はたして今後,効果ある精神療法の一つとして発展しうるかどうかを問うためであると考える。とくに筆者に与えられた課題は,精神分析的に方向づけられた集団精神療法について述べることである。これはひとえに,武田病院が設立以来精神分析的な方向づけを持つた精神療法を診療の基本とした治療体系の設定を意図して努力をつづけ,その必然的な発展として集団精神療法の導入をこころみているためであると考える。したがつて今回の集団精神療法に関する発表は,これらの病院全体の精神療法化の歩みを背景としている事実を,まず明らかにしておきたい(註:これらの歩みについては第9,10,12回日本精神分析学会に発表したので,精神分析研究Vol. ⅩⅠ,No. 1,Vol. ⅩⅢ,No. 6を参照されたい)3)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?