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文献詳細

雑誌文献

精神医学10巻8号

1968年08月発行

研究と報告

いわゆるナイトホスピタルの発展により発生する諸問題について

著者: 竹村堅次1 遠山哲夫1

所属機関: 1昭和大学付属鳥山病院

ページ範囲:P.645 - P.652

文献概要

I.はじめに
 Night hospital(以下N. H.)は本来,夜間病院であつて,精神病院から退院可能な患者がつぎの段階に移るにあたり,就労しつつnight careを中心に治療を受ける形式である。わが国ではこの治療方式が制度化しないうちに,すでに7,8年来精神病院で院外作業がさかんになり,これを安易にN. H. とよぶ傾向がある。たしかに精神病院の一部で,昼間患者を院外で働かせ,これにnight careを行なうのも一種のN. H. といえないこともないが,正しくは井上1)のいうように外勤作業療法とよぶべきであろう。
 N. H. の定義とはべつに,この治療形式は定型化されない未完成の治療体制と多くの制約のもとでも,その効果が認められ,初期の報告2)以来現在まで多数の報告がある。しかし反面,これに伴うさまざまな問題も発生しつつあり,江副3),小林4)らは病院精神医学10年の歴史をふりかえつて,N. H. の正しい運営が行なわれなければ,将来その効果よりも弊害が多くなるだろうと警告している。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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