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文献詳細

雑誌文献

精神医学10巻8号

1968年08月発行

文献概要

研究と報告

列車妨害についての犯罪心理学的研究の試み—精神薄弱の一側面としての非行を中心に

著者: 広瀬伸男1 高田紗智子1

所属機関: 1大垣病院

ページ範囲:P.661 - P.666

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I.はじめに
 犯罪非行の問題は,精神医学,心理学,社会学などの接点に立つ重要な課題であり,これの業績はまさに汗牛充棟の感がある。しかしながら,列車妨害に関する系統的な研究もまた,焦眉の課題であり,この種の犯罪非行は原始的な意志の発動によるものであろうし,犯罪非行のUrmotivを考えるうえに恰好の資科と思われ,その特殊性は不特定多数を対象とし,直接に危害をこうむるのは人間ではなくて,動く軌道車という点である。しかもこの問題は,流動する社会背景,法理念のもとに罪状の重さにさして変容をきたさない点は放火と同様であり,Garofaloのいう自然犯罪に属するものである。したがつてわれわれは放弄火の研究に引続き,列車妨害について整理し,いささかの私見を述べたいと思う。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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