文献詳細
文献概要
研究と報告
一卵性双生児の1人に初発した集団ヒステリーについて
著者: 島薗安雄1 中村剛1 刑部侃1 岡部健一郎2 下出幸栄3
所属機関: 1金沢大学医学部神経精神医学教室 2細木病院精神科 3金沢大学法文学部心理学教室
ページ範囲:P.691 - P.698
文献購入ページに移動1964年春,高知県山間僻村の某中学校が行なつた修学旅行を契機として,生徒の間に全身の強直性けいれん発作が集団発生した。この発作はその後種々の機会に集団的あるいは散発的に起こる一方,つぎつぎと伝染する傾向を示した。このため地域住民の間では伝染性の奇病が発生したと考えられ,当時村全体が強い不安に包まれていたのである。
われわれは1965年6月以来,この疾患について数回の調査と臨床的検索を行ない,それらが心因性の発作であることをすでに明らかにした9)。
掲載誌情報