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研究と報告
幻影肢(Phantom third limb)を示した半側身体失認の1例
著者: 井上克己1 松岡正二1 秋本辰雄1 稲永和豊1
所属機関: 1久留米大学医学部精神神経科学教室
ページ範囲:P.729 - P.735
文献購入ページに移動左半側身体図式障害についてはBabinski(1914)の病態失認(anosognosia)の提唱以来,種々の報告がなされた。片麻痺の否認については,Kramer(1915)によりallaesthesiaとの関係から,さらにPötzl(1924)により幻影肢との関係から記載がなされた。
これとならんで,Head(1920)やSchilder(1923)によつて,身体図式(body schema)や身体像(body image)の概念が確立され,さらにその後Bender(1949)やDenny-Brown(1958)による知覚抗争やamorphosynthesisの考えかたも現われた。
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