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研究と報告
新眠剤Nitrazepamの臨床—臨床脳波所見について
著者: 矢幅義男1 土屋洋三1 田中正英1
所属機関: 1東北大学医学部精神医学教室
ページ範囲:P.71 - P.74
文献購入ページに移動chlordiazepoxide,diazepamなど,benzodiazepine誘導体の脳波に及ぼす影響に関しては,Gibbsら3)などの論文を初めとして教多くの研究がなされ,入眠期に増強傾向を有する律動的低振幅速波の出現という一致した結論が示されている。ところで,1965 F. Hoffmann-La Roche社が開発したbenzodiazepine誘導体,nitrazepam(以下NTと略す)については,睡眠効果に関する臨床治験は枚挙にいとまがないものの,脳波に及ぼす影響に関しては睡眠効果を論ずる報告に少教例の脳波パターンの変化を付記するにとどまり4)12),これを主題として検討を加えた論文7)は少ない。
そこで,著者らは神経精神科脳波室という臨床検査の場において,自然睡眠にはいりえなかつた症例から45例を無作為に抽出し,NT 10mgを投与してみた。そして,自然睡眠例とpentobalbital(以下PBと略)(Ravona)投与例のほぼ同数を対照群として選び,本剤の睡眠誘発の様相ならびに脳波に与える影響について検討を加えた。
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