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展望
文献概要
はしがき
生命の流れには,さまざまなリズムがある。たとえば心臓の搏動はひとつのリズムである。われわれが朝に起きて働き,夜にやすむのも,1日を周期としたリズム活動にほかならない。婦人の月経周期も,ほぼ1カ月を単位とした生体のリズムといえる。極端なことをいうと,生まれおちてやがて青年に達し,新しい生命をはぐくみ,いつか年老いてゆく人間の一生も,くり返しのない一回かぎりの生命の律動とみなすこともできる。
これらのリズムのうちでも,ほぼ1日24時間を周期とするリズム,すなわち日内リズム(circadian or diurnal rhythm,circa=about,dies=day)をもつ生体機能は,非常に数が多く,生命の維持に重要な役割をになつている。たとえば睡眠・覚醒のパターンにはじまつて,体温,尿量,血中や尿中の電解質,種々のホルモン分泌,各種の血球数,血沈,各種酵素活性,さらには肝の細胞分裂頻度,燐酸取り込み率,グリコーゲン含量などにいたるまで,外界の条件とは別に,身体内にあると想定される時間的変動の仕組み——しばしば象徴的に体内時計(biological clock)とよばれる——によって規制されていることが知られている。
生命の流れには,さまざまなリズムがある。たとえば心臓の搏動はひとつのリズムである。われわれが朝に起きて働き,夜にやすむのも,1日を周期としたリズム活動にほかならない。婦人の月経周期も,ほぼ1カ月を単位とした生体のリズムといえる。極端なことをいうと,生まれおちてやがて青年に達し,新しい生命をはぐくみ,いつか年老いてゆく人間の一生も,くり返しのない一回かぎりの生命の律動とみなすこともできる。
これらのリズムのうちでも,ほぼ1日24時間を周期とするリズム,すなわち日内リズム(circadian or diurnal rhythm,circa=about,dies=day)をもつ生体機能は,非常に数が多く,生命の維持に重要な役割をになつている。たとえば睡眠・覚醒のパターンにはじまつて,体温,尿量,血中や尿中の電解質,種々のホルモン分泌,各種の血球数,血沈,各種酵素活性,さらには肝の細胞分裂頻度,燐酸取り込み率,グリコーゲン含量などにいたるまで,外界の条件とは別に,身体内にあると想定される時間的変動の仕組み——しばしば象徴的に体内時計(biological clock)とよばれる——によって規制されていることが知られている。
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