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文献詳細

雑誌文献

精神医学11巻10号

1969年10月発行

文献概要

研究と報告

刑法改正に関する私の意見 第3篇 保安処分の諸問題(その2)—保安処分

著者: 田村幸雄

所属機関:

ページ範囲:P.765 - P.772

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Ⅰ.措置入院と保安処分
 精神衛生法(以下法と略記)の措置入院制度が適正に行なわれるのであれば,準備草案における保安処分の規定は不要となるはずである。なんとなれば,前者によつて精神障害者に対する保安の目的が十分に達せられるからである。
 法家は措置入院の実状や精神科医に対して,危惧と不信をもつているようにみえる。法務省刑事局が行なつた「保安処分に関する特別調査」によれば,(1)準備草案の意味の保安処分を認めたケースについて24.3%はなんら処置されていない。(2)たとえ,入院させてもその患者が危険で保安上の必要があるにもかかわらず,精神病院の都合で退院させられている。検察庁によつて,病院と連絡をとり危険な患者が早期に退院することのないように努力しているところもあるが,この手続きは法的根拠を持つているわけでない。法務総合研究所の調査によると,東京地方検察庁で取扱い精神病院収容の処置をとったもののうち,軽快または不完全のまま通院しているものは20%をこえるという1)2)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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