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文献詳細

雑誌文献

精神医学11巻10号

1969年10月発行

研究と報告

Perazine dimalonate注射の臨床経験

著者: 諏訪克行1 石黒健夫1 宮本忠雄1 島薗安雄1

所属機関: 1東京医科歯科大学神経精神医学教室

ページ範囲:P.799 - P.808

文献概要

Ⅰ.緒言
 Taxilan(BYK・グルデン・ロンバーク社)はpiperazine群に属するphenothiazine誘導体であるマロン酸ペラジンで,母核中に置換基はなく,側鎖にpropyl-piperazinyl-methyl基を有している。本剤の化学構造式は第1図に示すとおりである。
 本製剤は最初,制吐剤として用いられていたが,のちに精神疾患の治療にも使用されるようになつたもので,chlorpromazineやlevomepromazineに比べて副作用が少なく,外来患者にも用いられている。本剤についての詳細な研究報告は,1958年,Hippus3)ら,Nieschulz7)らによつて行なわれたが,その後も薬理作用,精神作用について多くの報告がある。動物実験による薬理作用としては,1)自律神経系には抑制的に働き,交感神経系に対する作用が強い。2)鎮静効果はあるが,反応能力には影響がない。3)通常量では血圧,体温への影響はほとんどないこと,などがあげられている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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