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文献詳細

雑誌文献

精神医学11巻10号

1969年10月発行

資料

WHO第8回修正国際疾病分類について

著者: 加藤正明1

所属機関: 1国立精神衛生研究所

ページ範囲:P.809 - P.827

文献概要

まえがき
 WHOによる国際疾病分類International Classification of Disease(I. C. D.)は,戦後厚生省でも早くから死因統計に採用してきたが,どこの国でも評判がわるく一般に使用されていなかつた。今回の第8回修正I. C. D. は,作製まえから各国の意見を積極的にとり入れ,わが国にも再三コメントを要求してきた。精神疾患分類については,日本精神神経学会の用語統一委員会がこれに参与し,厚生統計協議会の専門委員として意見を述べてきた。
 第8回I. C. D. は1965年に採択され,次の1975年の修正までこれを積極的に検討することになつたが,アメリカ精神医学会は,そのDiagnostic and Statistical Manual of Mental Disordersの第2版(1968)で,ごく一部を除いてI. C. D. の精神疾患に関する部分を承認した。またイギリスでも統計庁長官の医学用語および統計に関する審議会の精神疾患分類部会でほぼ承認され,A Glossary of Mental Disorders(1968)として出版された。その詳細についてはのちに各項目で述べるが,アングロサクソン系の概念がつよく反映しており,フランスはやつと1968年の暮にできるだけI. C. D.に近づけた仮案を国立衛生研究所が中心になつてまとめたが,その他の各国ではおのおの独自の分類を用いており,国際的水準ではもちろん,国内的水準でも統一されていない国が多い。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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