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文献詳細

雑誌文献

精神医学11巻10号

1969年10月発行

紹介

ソヴィエトの臨床精神病理学(その1)—「経過」精神医学の立場

著者: 湯沢千尋1

所属機関: 1信州大学医学部神経精神医学教室

ページ範囲:P.839 - P.842

文献概要

I.はじめに
 従来のソヴィエトの精神病理学はGiljarowski(1954),Slutschewski(1957)あるいはWinogradow(1963)などの教科書からもうかがえるように,Kraepelinの古典的ドイツ精神医学に基礎をおいたきわめて地味なものであつた。わずかに特徴といえば,催眠相(均等相,逆説相あるいは超逆説相),不活発な興奮相といつたPawlowの高次神経活動学説の概念を用いて,幻覚,妄想などの精神病理学的症状を病態生理学的に説明していることくらいなものである。
 ところが,近年のコルサコフ神経病理・精神医学雑誌をみると,多方面にわたる内因精神病の身体面の研究の前提として,きめの細かい臨床観察の必要性があらためて強調され,精神病理学的症状群の発展,合併,変化の法則性を疾病の「経過」において明らかにしようとする努力がなされ,それにもとづいて疾病の「経過型」の分類が行なわれている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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