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文献詳細

雑誌文献

精神医学11巻12号

1969年12月発行

展望

精神分裂病の家族研究と家族精神療法の歴史

著者: 阪本良男12

所属機関: 1阪本病院 2現在,ハーバード大学精神科

ページ範囲:P.940 - P.952

文献概要

I.はじめに
 精神分裂病に関する家族研究と家族精神療法の最近の成果は,一面では精神分裂病の従来からの考え方に対する一つの挑戦の歴史であるといえるとともに,精神分裂病を内因性というよりも心因的な見方をし,また一方家族という,患者個人より,より大きな単位でこの疾患をとらえることにとり,精神障害に対する新たな面を浮彫りにしたと考えられる。
 精神分裂病の家族精神療法は,伝統的なこの疾患に関する個人的接近を,その個人のもつとも親しい人達,すなわち,家族への接近をも含めることで,疾患そのものを再考させざるをえなくするものであつた。同席(conjoint or unit)家族精神療法では家族全体を病気と考え,歴史的な従来の精神病理学的接近から,治療としての新たな面を導入したのみならず,精神分裂病に対する新たな病因論,および治療の見とおしを可能としたのである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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