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文献詳細

雑誌文献

精神医学11巻2号

1969年02月発行

展望

構造主義と精神医学—Lévi-Strauss,Lacan,Foucaultの思想とその影響

著者: 神谷美恵子1

所属機関: 1津田塾大学

ページ範囲:P.81 - P.91

文献概要

I.はじめに
 構造主義が現在ヨーロッパ文化の各方面に影響を及ぼしつつあることは周知の事実である。精神医学においても,すでに1950年代の終りごろから,とくにフランス,イタリー,スペインなどにそのきざしがあらわれ始め,近年その傾向はますますいちじるしい。この傾向は今後さらに強まるものと思われるが,現時点において,構造主義がどのような面で精神医学に関係があるのか,またすでにどのような影響が文献に現われているか―こうしたことをしらべて,考察してみたい。
 構造主義も論者によつて思想,方法,研究対象にいくぶん相違があるが,かれらに共通な点の一つはSaussure, F. de(1857-1913)によつて創始された言語学理論に,その発想を負うところである。ソシュールをはじめ,Martinet, A. やJakobson, R. の言語学上の諸概念を,そのまま他の文化現象にあてはめているので,初めに,その主なものを挙げておきたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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