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文献詳細

雑誌文献

精神医学11巻2号

1969年02月発行

研究と報告

精神分裂病に対するAmitriptyline-Perphenazine併用療法について

著者: 諸治隆嗣1 加藤博明1 岡田文彦1 伊藤耕三1 山下格1 吉村洋吉2

所属機関: 1北海道大学医学部精神医学教室 2倶知安厚生病院精神神経科

ページ範囲:P.125 - P.129

文献概要

I.はじめに
 phenothiazine系薬剤ならびにReserpineが精神疾患の治療にこころみられて以来,精神科領域における薬物療法の発達はめざましく,こんにちなお新しい薬剤がつぎつぎとその治療体系に導入されて,薬物療法は精神疾患の治療体系の主流をなすにいたつた。またそれらの薬剤の単独投与では得られない治療効果をあげるために,しばしば各種の薬剤を組み合わせた併用療法もひろく一般に行なわれている。
 一方phenothiazine系薬剤をつづけている患者では,しばしば不安,緊張あるいは抑うつなどが出現し,やむなく投薬を中止しなければならないことが経験されている。また精神分裂病のある病期に抑うつ症状が出現するのはまれなことではない。このような場合,ときにimipramineなどのantidepressantが使用されるが,幻覚,妄想など精神分裂病の症状の増悪をきたすことがあり,併用薬剤としては適当でないことが多い。また一般に精神分裂病の抑うつ状態は内因性うつ病のそれより治療が困難でかつ自殺の危険が大きいとされている1)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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