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精神障害者の発見活動における公衆衛生関係者の認識と態度—沖縄における疫学的調査の経験から
著者: 中川四郎1 佐藤壱三1 目黒克己1 立津政順2 加藤伸勝3 岡田靖雄4 鈴木淳5 太田広三郎6 石原幸夫7 松村清年8 上与那原朝常9 新垣元武9 平安常敏10 玉木正明11
所属機関: 1国立精神衛生研究所 2熊本大学精神科 3東京都立松沢病院 4東京大学精神科 5国立下総療養所 6茨城県精神衛生センター 7神奈川県精神衛生センター 8元富山県精神衛生センター 9琉球精神病院 10平安病院 11沖縄精和病院
ページ範囲:P.147 - P.152
文献購入ページに移動精神障害に対する家族や地域の人びとの考えかたや態度が,精神障害者の発見,治療,予防などに深い関係をもつことはいうまでもない。社会がどのような事例(case)を異常と考えるか,あるいは考えないか,またそれをどのような異常と考えるかは事例の問題であつて,かならずしもその異常が精神医学的異常ないし疾患であるとはかぎらない。また逆に精神医学的疾患が社会で事例として問題となるとはかぎらないのである。
この問題は疫学的調査の場合にはとくに重要であつて,調査者の考えや態度とともに発見率を左右する要因となる。疫学的調査の場合,調査上の誤差としてとくに問題となる三つの事項,すなわち診断基準,面接の精度,調査の基礎となる情報収集の問題がある。このうちとくに情報の収集と事例の把握に関して,1966年11月に行なわれた沖縄の精神障害者の実態調査における情報収集にあたつた公衆衛生看護婦(保健婦)および保健所吏員などの公衆衛生関係者の精神障害者に対する認識や態度の問題について考察し,地域精神衛生活動を行なう場合の参考としてみたい。
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