雑誌詳細
文献概要
特別論文
日本精神病治療志(一)
著者: 金子準二1
所属機関: 1慈雲堂病院
ページ範囲:P.187 - P.190
まえがき
医学の一部門に病因学(Aetiologie)というのがある。この病因学にさきだつてあつたのが,病観(Krankheits-anschauung)である。病観は前病因学(Praeaetiologie)とも称さるべきもので,まだ科学ではない。しかし病因学が治病の基礎となることが多いと同じく,病観はそれが支配した当時の治病の根元となった。したがつて日本の治療志を記すには一応,上古からの病観にふれなくてはならない。ことに精神病治療志を書くには,病観をその前置きとする必要がある。
医学の一部門に病因学(Aetiologie)というのがある。この病因学にさきだつてあつたのが,病観(Krankheits-anschauung)である。病観は前病因学(Praeaetiologie)とも称さるべきもので,まだ科学ではない。しかし病因学が治病の基礎となることが多いと同じく,病観はそれが支配した当時の治病の根元となった。したがつて日本の治療志を記すには一応,上古からの病観にふれなくてはならない。ことに精神病治療志を書くには,病観をその前置きとする必要がある。
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