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文献詳細

雑誌文献

精神医学11巻3号

1969年03月発行

研究と報告

刑法改正に関する私の意見 第2篇 不定期刑を中心として(その4)—不定期刑

著者: 田村幸雄

ページ範囲:P.197 - P.201

文献概要

Ⅰ.科刑の原則
 科刑の原則をつぎのように考えたらどうであろうか。(1)刑の量定は責任に応じて行ない,(2)実刑を科するかどうかは,刑の目的を考慮して定める。窃盗を例にとり説明しよう。
 1)広義の責任については,前述のごとく,行為に関する責任と,行為者に関する責任とがある。窃盗についていえば,だれの物,どんな物,どれだけ,どんな方法で,盗んだか,また,社会にどんな影響を与えたかなど,多くの事項が行為の責任に関係している。行為者に関する責任では,非難可能性,広義の期待可能性が問題となり,責任能力,心身の状態,動機,心構え,素質,過去および現在の環境,初犯か前科者かなど,これまた,いろいろの事項がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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