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文献詳細

雑誌文献

精神医学11巻3号

1969年03月発行

文献概要

研究と報告

精神分裂病の家族精神療法(その3)—家族内病識

著者: 阪本良男1

所属機関: 1阪本病院

ページ範囲:P.217 - P.223

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 われわれは,精神分裂病の家族精神療法の経験から,患者の病像の発見,すなわち発病を認識することに関し,家族成員により認識の差があることを知つた。この事実に対し,精神分裂病患者が自己の病気を認識しえない構え,すなわち「病識がない」と精神病理学的によばれる概念を適用し,「家族内病識」という概念を提唱して家族成員個々人の患者の病気に対する認識を表わした。
 この概念の精神力動的意味を,われわれがさきに提唱した「家族抵抗」の概念,家族内病識の順位,家族退行などの考えかたから論じた。この概念は日常臨床上精神分裂病の家族力動を理解するうえにも,家族精神療法的にも非常に有用であると考える。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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