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特別論文
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アニミスムスと夢
アニミスムスを培い育てあげたのは,夢である。夢は日本の上古の人々のく(奇)しとすることであつた。それは「古事記」中つ巻の神武天皇(在位西紀前659-584)の東征にあたつて,天皇の軍が惑い伏した時,熊野の高倉下(たかくらじ)が横刀(たち)を献つた時,天皇がその横刀を獲しゆえを問いたまわつた時,高倉下は「夢の教えの如くに,あした(明・朝)に己が倉を見れば,まことに横刀ありき。故,この横刀をもちて献りにしこそ。」といつておるのでも,古代人の夢の評価が高かつたことがわかる。
さらに崇神天皇(在位西紀前97-29)の御世に疫病の大流行があつた時,天皇が愁い歎いた,神床の夢に得た神告で,大物主命の崇りであると知つて,夢告のままに祭をすると,役(えやみ)の気ことごとくやみ,国安らかに平らいだと「古事記」にあるのでも上古に夢が占めた重要さは推しはかられる。
アニミスムスを培い育てあげたのは,夢である。夢は日本の上古の人々のく(奇)しとすることであつた。それは「古事記」中つ巻の神武天皇(在位西紀前659-584)の東征にあたつて,天皇の軍が惑い伏した時,熊野の高倉下(たかくらじ)が横刀(たち)を献つた時,天皇がその横刀を獲しゆえを問いたまわつた時,高倉下は「夢の教えの如くに,あした(明・朝)に己が倉を見れば,まことに横刀ありき。故,この横刀をもちて献りにしこそ。」といつておるのでも,古代人の夢の評価が高かつたことがわかる。
さらに崇神天皇(在位西紀前97-29)の御世に疫病の大流行があつた時,天皇が愁い歎いた,神床の夢に得た神告で,大物主命の崇りであると知つて,夢告のままに祭をすると,役(えやみ)の気ことごとくやみ,国安らかに平らいだと「古事記」にあるのでも上古に夢が占めた重要さは推しはかられる。
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