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文献詳細

雑誌文献

精神医学11巻4号

1969年04月発行

研究と報告

二重盲検法によるthiothixeneとperphenazineの精神分裂病に対する薬効比較

著者: 伊藤斉1 三浦貞則1 浅井昌弘1 平野正治1 村瀬寛1 田代巌1 一ノ渡尚道1 上島国利1 荻田和宏1 片山義郎1 増田邦夫1 桜井俊介1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部神経科

ページ範囲:P.284 - P.296

文献概要

Ⅰ.まえがき
 Thiothixeneは米国のPfizer社で合成された薬剤でその化学構造式は第1図に示されるように,thioxanthene核の(2)の位置にdimethyl-sulfonamid基による置換が,そして(9)の位置に2重結合によって(4-methyl-1-piperazinyl)propylideneの長い側鎖をもつている(第1図参照)。また構造の上からは私どもが臨床で用いているchlorprothixene,thioproperazine,perazineに類似しており,内外の多くの臨床治験によりこれらの薬剤と同様強力な抗精神病作用を有し,とくに著しい賦活効果をもたらし,主として精神分裂病患者の感情鈍麻や内閉性を改善し,意欲的な活動性をたかめるとされている。
 勿論これに先立つて薬理作用,急性毒性,亜急性および慢性毒性,催奇形性などについて詳細な基礎実験が積まれており,薬理作用の強力な点,および毒性の低い点が他剤との比較で指摘されており,多数の臨床報告を加えてFDAへ提出された資料を精読した限りではすぐれたpotencyの高いmajor tranquilizerであるとの印象を得た。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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