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特集 心気症をめぐつて 第5回日本精神病理・精神療法学会大会シンポジウムより 主題演者
心気症について
著者: 保崎秀夫1
所属機関: 1慶応大学医学部神経科
ページ範囲:P.333 - P.336
文献購入ページに移動 心気症についての概念は,その歴史をみてもかなりあいまいである(第1表)。この点についてはF. E. Kenyon(Int. J. Psychiat. 2:308〜334.'66)の歴史的観察に大変詳しい。わが国においても懸田らによる神経症の分類に関するアンケートの結果をみても(塩入円祐著書より引用,第2表)。これを疾患名として使用する人から,症候群あるいは単なる一症状として理解する人まであるが,一般的傾向としては疾患単位とみなさない人が多いようにみえる。それは発生機序により他のものに包含されるとみる人や,あらゆる疾患にみとめられる一症状に過ぎないということであり,たしかに広義の抑うつ症状の範囲内に含まれることは間違いない。私自身はやはり狭い意味での心気症は存在しうると思うし,またなんらかの方法でこれを限定してもらいたいものだと思う。つぎに,従来からのいくつかの問題点をまとめてみよう。
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